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ぬくもりを求めて ページ27

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ユイ「未練があるようには見えないけど」



そう言ってユイは私が適当に頼んだきゅうりの和え物を口に入れた。



ユイ「いっぱい泣けた?」

「え…」

ユイ「Aって全部溜め込むし、隠すし。
悲しいとか辛いとかあんま出さないでしょ。」

「…」



腐れ縁の彼女には全てお見通し。
隠し事なんて通用しない。



ユイ「誰が頑固なあんたを素直にさせてくれたのかねぇ」

「…唐揚げ頼む。」



逃げるように注文した私を見てやっぱりユイは呆れたように笑う。



ユイ「ていうか、あんた樹くんに連絡しなかったでしょ」

「…あ!」



この数日で色んなことがありすぎてすっかり忘れてた。
あの日、最後まで心配してくれてたのに…恩知らず…



ユイ「私ちゃんとあんたに送ったよね?樹くんの連絡先」

「はい…」

ユイ「私が樹くんに疑われたんだから…
ほんとにAちゃんに送ってくれた?って」

「ごめんなさい…」

ユイ「今連絡して。どうせすぐ忘れるでしょ」



言われるがままユイとのトーク画面を開いて樹くんの連絡先をタップする。
友達に追加して、先日の一件と今日まで連絡を忘れていたことに対する謝罪のメッセージを送るとすぐに既読がついた。



ユイ「ほらー待ってたんじゃん」

「たまたまでしょ…って、わ」



急に切り替わった画面。
ユイがすかさず通話ボタンを押した。



樹『もしもし?』



勝手にスピーカーにして、目で「喋れ!」って訴えてくるユイ。なんなの〜…



「も、もしもし…」

樹『あ。Aちゃんだ。俺ずっと待ってたのにさあ』

「それはほんとにごめんなさい…ちょっとバタバタしてて。」

樹『今日これから一緒に呑んでくれるなら許してあげる〜』

「え?今日はユイと…」

ユイ「(馬鹿!)」



小声でユイに叱られたけど時すでに遅し。
樹くんにはユイと一緒に居ることが伝わった。



樹『あ、じゃあ丁度良かった。
今ユイちゃんの上司と一緒なんだよね
まだ店決めてないからそっち行っていい?』

ユイ「来なくていいよ」

樹『そんな冷たいこと言わないであげてよ。しょっぴー泣いちゃうよ』



電話口の向こうで「泣かねぇよ」って落ち着いた男性の声が聞こえた。ショッピーって…そんなによくあるあだ名じゃないよね…?



樹『店の場所送っといて〜じゃあね!』

「わっ」



完全に樹くんのペースに飲まれて、お店を教えた私に不機嫌なユイ。だって今の私は樹くんには強く出れないんだもん…仕方ないじゃん…

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あむ(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます!暖かいお言葉嬉しいです^ ^更新がんばります! (3月27日 13時) (レス) @page34 id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - お話の流れと展開が好きです (3月26日 21時) (レス) @page36 id: 5ebabfabca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あむ | 作成日時:2024年3月18日 23時

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