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『語り部屋』
「どう、連絡ついた?」
目をクリクリさせてる佐久間。
「……『智ちゃん』『康二くん』だって…」
なんかまた拗らせモードに入っちゃってる。
「なんかあったの?」
Aから事情聴取する事に。
ーーーーー
「こうこうこうで、こうなんです…」
「なるほどね〜」
わかるの?!今ので…
「『リビ松さん』チーム仲良いからね。まぁ康二がいるからいい雰囲気なるんだろうけど」
盛り上げ上手な彼ですからね。
「うん…わかるよ?わかるけど…。智ちゃんて、朝子さんの人でしょ?なんで本名で呼んでるのかな。向こうも康二くんって…」
そう言うとテーブルに突っ伏しちゃった。
「んー、そういうの康二のいいところなんだけど…」
Aも康二が人懐っこくて誰にでもフレンドリーなのは十分すぎるほどわかっている。わかってるけど
「ラブシーンで拗らせてるAちゃんには相当キツいよな」
頭を悩ませちゃう佐久間くん。
「あーもうやだ…!2人にジェラってる自分嫌すぎる。女の嫉妬ほど醜いもんはないから…」
頭ワシャワシャ掻きむしってるよ…
「んー…他の人ならわかんないけど、Aちゃんの嫉妬なら康二は可愛いって思うんじゃないかなぁ。いっそのこと甘えちゃえば?康二喜ぶよ、絶対」
「……康二くんに甘える?」
「うん。『康二くーん、私妬いちゃうぞっ』って可愛くね」
いやいやいや…佐久間くんがやるから可愛いのであって。
「『康二く〜ん、A妬いちゃうぞっ(きゅるん♡)』って?」
「そうそう、いい感じ!」
「できねーし!そんなん」
今やったくせに…。
「そんな事して康二くんの足ひっぱりたくない。私がもっと強くならなきゃ。康二くんに認めてもらえる女にならなきゃダメなんだ…」
「お、おう…?」
変に前向きというか、でも常に康二を思ってるその考え方に圧倒される佐久間。
「リアコなめんじゃねー!」
結局行きつくのはそこですか、
「でもやっぱしんどい…。いまだけは拗らせてもいいですか…」
「よしよし」
ただ、頭ぽんぽんするくらいしかできない佐久間くんだった。
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作者名:ミズ | 作成日時:2024年3月24日 19時