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学校から帰ってきた夜、
舘さんはお店の仕事で忙しく今日は帰って来れないと連絡があった。
康二くんは、大学で課題をやってから帰るからご飯いらないと。
…てことは、私が今日ごはん係か。
舘さんそういえば冷蔵庫の中身何もないかも…!
今日の朝使っちゃった気がする。ごめん!
康二あーそういや今朝家出る時に冷蔵庫見たけどほぼ何もなかった気がする
舘さんうわ、だよね、今日買い物して冷蔵庫の中身増やす予定が、
店の予約が急遽団体になっちゃって帰れそうにないんだ
A私もう家に帰ってきたから、買い物行けますよ!
適当に何か買ってきます!
翔太俺これから帰るから、
リスト送ってくれれば買って帰る
舘さんじゃあ翔太よろしく!
あとは2人でなんとか( .. )
一応冷蔵庫確認してみたけど…
「卵と牛乳しかない……」
翔太に個人的にLINEを送ったら何でもいいけど
腹減ったからがっつり食べたいとのことだったので
ガッツリ系のレシピを考えて、リストを送った。
あれから翔太って呼ぶのはもう慣れた。
だって、いちいちうるさいんだもん。
「わた…」
渡「違う」
「翔太…く、」
渡「違う」
「……しょーた」
渡「何」
話しかけるたびにこんな反応。
だからか自然と敬語もとれて、
この家でなんだかんだ1番素のままでいられる人になったかもしれない。
渡「Aのメシはマジでうまいわ一生食える」
「ありがとう笑」
両親が昔から家にいることが少なかったからか
自分で料理をすることが増えて、好きになった。
お菓子づくりのサークルに入ったのもそれ。
分量きっちり計らなきゃいけないお菓子づくりはどうも苦手で、でも作れるようになりたいとは思ってて。
このシェアハウスにいると、プロの舘さんと料理好きの康二くんがメインで作ってくれるっていうのが定着してるから、わたしの手料理は翔太しか食べたことがない。
「あ、翔太って甘いもの好き?」
渡「ん?」
「今日サークルでパウンドケーキ作ったんだけど…」
渡「ん、あとで食うわ」
「一緒にたべよー、あ、康二くんすぐ帰ってくるかなあ…」
渡「康二の分もあんの?」
「いや、うーん微妙
2人で食べれそうだけど、3つにも分けれるから舘さんと康二くんにもあげようかなって」
渡「…あとで2人で食べよ」
「うん、分かった」
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2024年1月30日 16時